はじめに:1000万円の運用残高に至るまで
私が投資を始めたのは2015年。当時の年収は300万円台で、一人暮らしすら難しい状況でした。
それから10年が経った2026年現在、運用額はちょうど1000万円ほどになっています。最初の3年はずっとマイナス。プラスに転じたのはここ7年くらいの話です。
この記事は、「最初の3年で学んだこと」を中心に書きたいと思います。なぜなら、私が投資で一番学んだのは、儲かった話よりも、損して気づいたことだからです。
そして、その経験こそが、いま私が「おかねナビ」というシミュレーションサイトを作っている理由でもあります。
始まりは「会社を辞めたい」だった
正直に書きます。
私が投資を始めた動機は、お金を増やしたいというよりも、「いまの会社を辞めたい」でした。
当時勤めていた会社の仕事はキツく、年収は300万円台。家賃を払うと手元に残るお金は少なく、「このままでは一生この生活か」と感じていました。
そんな中で目についたのが「株式投資で資産を増やす」という選択肢でした。知識さえあれば自分の力でお金が増やせる。そう信じて、おそるおそる証券口座を開設したのを覚えています。
ただ、いま振り返ると、この「会社を辞めたい」という動機こそが、最初の3年間の失敗の原因だったのかもしれません。早く成功したい、早く自由になりたい——その焦りが、私から冷静な判断を奪っていました。
失敗1:インフルエンサーを信じて買った株、120万円が70万円に
私が一番最初に買った株は、「森組」という会社の株でした。
きっかけは、当時SNSで人気だった株系インフルエンサーの発信。「大阪万博関連銘柄として何倍にもなる」——そんな投稿を見て、内容をろくに調べもせず、120万円分を一気に購入しました。
結果は、ご想像のとおりです。
120万円が、1週間で70万円になっていました。
含み損50万円。当時の私にとって、これは年収の何分の一にあたる、絶望的な金額でした。
このとき初めて気づきました。「インフルエンサーが推奨する銘柄を鵜呑みにする」というのは、自分でお金を増やしているのではなく、ただ他人にお金を預けているのと同じだということに。
しかも、悪いことに、その時点では「いつか戻るかもしれない」と祈るような気持ちで持ち続けてしまっていました。これも典型的な失敗パターンです。
失敗2:30秒で10万円消えた日(ニューラルポケット)
森組での失敗から学んだはずの私は、しばらく後、また同じ過ちを繰り返します。
別のインフルエンサーが推奨していた「ニューラルポケット」という株でした。当時の私にとっては値がさ株(株価が高めの銘柄)でしたが、「これは絶対に上がる」と信じて、一気に300万円分を購入しました。
買った直後、画面を見ていると——
わずか30秒で、10万円の含み損。
慌てて損切りしました。心臓がバクバクしていたのを今でも覚えています。
このときに学んだのは、2つでした。
- 自分の身の丈に合った金額で投資すべき。300万円分を一気に買うのは、私には無理だった
- デイトレードは、私には合わない。短時間で値動きを追うのは、精神的にも技術的にも別物のスキルが要る
「身の丈に合わない金額を、短い時間軸で動かす」——これがいかに危ないか、身をもって知った瞬間でした。
失敗3:トラウマで売ってしまった株が、その後5倍になった話(セルソース)
もう一つ、忘れられない失敗があります。
「セルソース」という株を、決算をまたいで保有していたときの話です。
決算発表後、PTS(夜間取引)で大きく値を下げました。「またやってしまった」——血の気が引きました。
翌日の通常取引(ザラ場)を、恐る恐る迎えました。
ところが、開けてみると、想定とは逆に大きく値上がりしている。よかった、と胸をなでおろしました。
そして、昨日の下げのトラウマが残っていた私は、すぐに売却しました。「いまのうちに利益を確定しよう」と。
その後、セルソースの株価がどうなったか。
ストップ高をつけ、上昇トレンドに乗り、1年後には私が買ったときの5倍にまで値上がりしていました。
このとき、私は自分のスタイルを根本から見直さなければいけないと感じました。
私は、「市場の短期的な動き」に振り回されて、「自分が信じて買った会社」を手放してしまった。トラウマや恐怖で売り時を間違えていた。
転機:「市場」を見るのをやめて、「会社」を見るようになった
3年の損失と、いくつもの失敗を経て、ようやく私は気づきました。
売買の時間軸が短ければ短いほど、勝率は下がる。これは、私自身のトレード履歴を振り返って出した結論です。
そして、もう一つ。
一時的な市場の暴落で損切りした株のほとんどは、その後、値を戻していた。
私はそれまで「損切りこそ正義」だと信じて、含み損が出るとすぐに切っていました。でも、振り返ってみると、その損切りの大半は、不要だった。むしろ握っていれば回復していた。
つまり、私が見ていたのは「市場の値動き」であって、「会社そのもの」ではなかったのです。
ここから、私のスタイルは変わりました。
- 業績と将来性を見て買う
- 買ったら、市場の短期的な動きに振り回されない
- 「明らかにこれはまずい」と判断したときだけ売る
たとえば、生成AIが本格的に台頭してきたとき。私は「これは歴史の転換点だ」と判断して、ナレッジを商材として扱う会社の関連株は全て売却しました。これは「市場が下がったから売る」ではなく、「事業環境の構造変化を見て売る」判断でした。
このスタイルに変えてから、成績は明らかに改善しました。
たどり着いた答え:「自分の数字」でしか判断できない
現在、私の運用は以下の構成です。
- 個別株とインデックスを半々
- オルカン(全世界株式インデックス)に月10万円積立
- 個別株は、業績と将来性で選び、長期保有が基本
このスタイルにたどり着くまで、10年かかりました。
そして、いま振り返って思うのは、お金の判断に「正解」はないということです。
インフルエンサーの推奨も、雑誌の特集も、銀行員のおすすめも、すべて「他人の数字」での判断です。それは、その人の年齢、資産、家族構成、リスク許容度、ライフプランに基づいた答え。
私が森組で失敗したのは、その「他人の数字」で動いたからでした。
繰上返済すべきか、投資すべきか。いくらまで働くと損するか。NISAに月いくら積み立てるべきか。
こうした判断は、すべて「あなた自身の数字」でしか答えが出ません。年収、家族構成、住宅ローンの残高、リスク許容度——同じ問いでも、人によって答えは違うのです。
だから、おかねナビを作った
このサイトでは、お金の判断を「あなた自身の数字」でたしかめるための、無料シミュレーションツールを公開しています。
たとえば:
- 繰上返済 vs 投資シミュレーター:あなたの住宅ローン残高と金利、運用利回りで、20〜35年後にどちらが何円得かを計算します
- 年収の壁シミュレーター:あなたの立場(パート・学生・共働き・副業)と年収で、社会保険の壁による「働き損ゾーン」を可視化します
どちらも、「一般論では答えが出ない」問いに、あなたの数字で答えるためのツールです。
私が10年かけて学んだのは、「お金の判断は、自分で考え、自分の数字で確かめるしかない」ということ。
このサイトが、あなたが「自分の数字」で判断する助けになれば、これ以上嬉しいことはありません。
おかねナビは、こんなサイトです:
- 暮らしのお金の判断を「あなたの数字」でたしかめる無料シミュレーションサイト
- 投資歴10年の個人運営、中立的な立場で情報発信
- 2026年の制度改正に対応
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